みなかさんと接触事故

 「いやだよう、行きたくないよう」と、(自分で自分に)だだをこねながら仕事に向かうみなかさん。いつものバス停につき、バスに乗ったのですが、しばらく走ると、車外から「ガキッ」と不吉な音がして、停車するバス。どうやら何かにミラーをぶつけてしまったらしく、ミラーを直そうと車外に出る運転手さん。

 ミラーアタック自体は、バス上級者のみなかさんからすると珍しいことではなく、過去3~4回、目撃しているのですが(あまりに激しくぶつかり完全にミラーが死に、運転手さんミラーをもぎとって空いている座席に乗せ、何事もなかったかのように運行を続けるという、パワープレイな出来事も)、

 今回はどうやら建設現場に後ろの荷物スペースのドアを開けて駐車していた、ガテン系なお兄ちゃんたちの仕事用の車、を運悪くアタックしてしまったようで、「あー塗装はげてんじゃんよー」とか、

 「リョーくん(たぶん車の持ち主。魔王のみなかさんとではもちろん勝負にならないが、おそらく人間にしては戦闘力の高いタイプの人種)に電話すんべ」とか、(お金のにおいを察知したのか)じわじわと騒ぎ出す学歴の低そうな雰囲気の、スナック菓子とコーラが好きそうな体型の人たち、非常にまずい展開です。

 しまいには「これ事故っすよね?警察呼びました?こっちが呼びましょうか?」みたいにリョーくんの手下たちがハッスルしだし、「ごめんこのバスはトラブルに巻き込まれた。あとから来るバスに乗り換えてくれ」と、運転手さんギブアップの車内アナウンス。

 みなかさんぶらり途中下車となり、朝からバス停3つ分くらいの距離を早歩きで家のほうまで戻り、そこからさらに非常時用の職場まで早く着くバス、のバス停まで早歩きで行き、バスに乗り、遅刻せずに出勤したみなかさんを褒めたたえるのが主な目的の記事です、これは。

 なんかこう、もちろん社会というのはそういうものではないことは分かりますが、「塗装が剥げたくらいで何ガタガタ言ってるの?車なんて走ればいいでしょう低学歴が」というのがみなかさんの正直なところで、

 でもまあ、突然の災難にみまわれるというのは、けっこうダメージ大きいですし、態度が大きい人ほどハートは小動物、弱い犬ほどよくほえる、ということで、リョーくんの手下たちの行動も少しは理解できますが、

 やれ賠償だ、やれパワハラだ、体罰だ、ヘイトスピーチだ、と、世の中のこの過保護っぷりというかキチクレーマーぶりはなんなのだろうというか、

 しかもたぶん、そういう行動を起こせる人ってそもそも、「キー!訴えてやる!」みたいな種類の人で、本当に守られるべきか弱く、心の優しい人たち(みなかさんのような)はそんなことできず泣き寝入りで救われていない、という気がみなかさんしており、相変わらず世の中ってば、と思うのでした。